イタウバ材の産地について

こんにちは。ウッドデッキ材専門店『サニーウッド』代表のキノシタです。

本日お伝えしたいテーマは、「イタウバ材の産地問題について」です。

「イタウバ」は南米ブラジル原産のハードウッドで、現地では古くから「イペ」とならび最も信用のおける木材として、木橋や枕木、電柱などの構造材に使用されてきました。

「イタウバ」の最大の特徴は、他のハードウッドに比べて油成分を多く含み木の表面が滑らかで、経年変化におけるささくれが非常に少ないことです。

そのため小さなお子様などによる、裸足でのご使用を想定したお客様に大変人気があります。

センターの7枚が「イタウバ材」です。右側が「マニルカラ」、左側が「セランガンバツ」

センターの7枚が「イタウバ材」です。 右側が「マニルカラ」、左側が「セランガンバツ」


「御社のイタウバの産地はどこですか?」

そんな「イタウバ」について、最近多くお問い合わせいただく内容が、「御社のイタウバの産地はどこですか?」というご質問です。

最近、他社さんのホームページの内容を見て、弊社のイタウバ材がどこの産地のものか尋ねてくるお客様が多くいらっしゃいます。

「マッドグロッソ州産」か「パラー州産」かによる品質を確認したいという趣旨のお問い合わせのようです。

他社さんのホームページには、産地によって品質に大きな違いがあるような表現がありますが、記載の内容を読むと非常に極端すぎるもので、そこには明らかな誇張や間違いが存在します。
自社で扱う商品の価値を上げようとするための誇大広告のように感じます。

ある会社のホームページの説明では、どちらかの産地の木材の方が圧倒的に優れていると断言している表現が多く見られますが、同じ国の同じ種類の木材が、産地の違いだけでそんなに極端な品質の違いがあるはずがありません。

ある地域のものが非常に優れていて、別の地域のものは劣っているという説明は誤りです。

産地にこだわるのは意味のないこと

例えば、日本の杉や桧にしてみても、日本の各県(各産地)ごとに品質の優れた木材が数多く育ち、各県ごとに地産地消の精神で県産材の使用を推奨しています。

また、わたしたち木材のプロでも、住宅に使用されている木材を見て、どこの産地の木材かを判別することなど不可能です。

イタウバの場合でも同じで、「マッドグロッソ州産」「パラー州産」というだけで品質に違いがあるわけではありません。
各産地とも、当然品質の良いものもあれば悪いものも存在します。

例えば、同じ地方の同じ山から伐採した木材であっても、その木が山の南斜面で育った木なのか、北斜面で育った木なのか、また山の標高(育った高さ)によって、日当たりや風の影響などの条件も変わり、木の成長スピードや品質に違いがあって当然です。

どこの産地のものだから、「油分が多い」とか「シミや斑点が少ない」などとは言い切れません。どちらの産地でも、油分やシミや斑点の多いものもあれば少ないものも存在します。
また品質の良いもの悪いものも必ず存在します。

木材の品質の良し悪しは、産地の違いではなく、現地のグレーディング(選別)と製造方法や品質管理に掛かっています。

重要なのはグレーディングと管理された製造工程

現地において、いかに優れた原木を確保し、製材工場では熟練の技術者により丁寧に製材されているか、また製材された原板はノウハウをもって乾燥させ、最終の仕上げ工程においても経験を持った技術者によって加工されているか。
これら一連の作業がうまく管理されているのかが重要です。

弊社では産地にこだわるのではなく、山から伐採された原木と完成した製品を信頼のおけるグレーダー(選別責任者)に委託して厳選することにより、品質に優れた製品のみを確保することを可能としています。

以上のように、産地にこだわることが意味のないことだとご理解いただけたかと思います。

他に気になることなどありましたら、どんなことでもお気軽にお問い合わせください。

よろしくお願いします。


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木下憲治(キノシタケンジ)
和歌山県海南市のウッドデッキ材専門店『サニーウッド』代表のキノシタケンジです。お届けする商品は木材ですが、本当にお届けしたいものは『つくる楽しみや感動体験』『お客様とそのご家族の笑顔』です。日本中に笑顔とウキウキ・ワクワクをお届けします。 趣味は、サッカーとマラソン。日本サッカー協会公認C級コーチ・3級審判員、 1級エクステリアプランナー

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